守弥@茶禍除猫様の「なりチャ入門」を原版奥付に基づき、wiki向けに最低限の体裁だけを整え直して転載しております。なりきりチャットを愛するすべての人へ。

「ロール」の用法

「ロール」とはロールプレイ(役割演技)の略です。TRPGにおいては、プレイヤーがPCの役を演じることを意味します。当初はTRPGやPBeMの流れを汲む一部のなりチャでこの用語が用いられ、微妙に意味や用法を変えて広まって行きました。
  • TRPGでは、サイコロを振る「ダイスロール」と紛らわしいためか、略さず「ロールプレイ」とする方が普通です。しかしなりチャでは、殆ど常に「ロール」と略します。
    • ラブシーンでのロールプレイを「エロール」と呼びます。
    • 一人きりで(ソロで)のロールプレイを「一人ロール」「ソロール」と呼びます。
  • なりチャで「ロール」とは、ロールプレイとしてPCの台詞や行動を記述することと同義であり、時にはその記述そのものを指します。
    • 他のPCの行動や状態、また場の状況を勝手に決めつける記述を「確定ロール」と呼びます。
    • 「ロールの長さ」とはレスの長さのことです。「長文ロール」は字数の多いレスを、「一言ロール」はプチレスを意味します。
    • 「ロール傾向」とは、レスの速度・長さ・文体・雰囲気、また心理描写・情景描写の有無など、レスのスタイルを意味します。
  • なりチャで「ロールを回す」とは、ロールプレイを行うことです。運動不足のハムスターが回し車でエクササイズすることではありません。ちなみに「ロールプレイを回す」とは決して言いません。
  • レス1回分のロールプレイを1ロールと数えることがあります。また入室から退室までの一部始終を1ロールと数える場合もあります。例えば「3ロール回すのに1時間もかかった」なら前者、「そのPCとは1回ロールした」なら後者となります。
2002年頃、この用語は版権チャや携帯向けなりきりサイトに誤った意味で伝播しました。版権チャ文化圏では、「ロール」とは括弧内に書かれる描写のことで、PCの台詞は含まないとされます。例えば「ロール無し」は描写無しを、「ロール必須」は描写必須を意味します。まるでロールプレイのないなりチャがあるかのような表現で、オリチャ文化圏では違和感を与えるでしょう。

2004年から2007年9月現在まで、はてなダイアリーは「なりきりチャット」を『チャットを使い、ある共通の世界観・舞台設定のなかで、自分の作成したキャラクターを使い、互いのやり取り(このやり取りを「ロール」と呼ぶ)から一つのドラマを作るもの』としています。

一方でWikipediaの「なりきり」の項には、2006年、次のような説明が追加されました。
なりきりにはロールと呼ばれる行動を記すものがある。掲示板やチャット、メールなど媒体は様々だが、キャラクターの行動を表す際多くが()内で示されキャラクター直接の発言はその括弧の外に記される。
「ロールとはPCとしての行動のこと」とする説明自体は、オリチャ文化圏でも古くから使用されています。ただしPCが会話することも「行動」と考えます。勘違いの起源は、その辺の誤読にあるのかも知れません。

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