守弥@茶禍除猫様の「なりチャ入門」を原版奥付に基づき、wiki向けに最低限の体裁だけを整え直して転載しております。なりきりチャットを愛するすべての人へ。

「なりチャ」「キャラチャ」の二語は、オリチャ、版権チャ、その総称のどれを意味する場合もあります。

2007年9月現在、PBW Wiki(2005年9月7日 - )には「キャラチャ」について『自作したキャラクターを用いて、キャラクター会話や行動をチャットで記述して疑似体験を楽しむ遊びのこと』と書かれています。「なりきりチャット」の項には『古くは(1996〜1998ごろ)版権もののキャラクターを用いて、なりきって会話するような遊びを指して用いられていたと思います』とあります。

一方で検索サイトなり茶Search(2001年9月 - )は『創作(オリジナル)なり茶サイト』を対象とし、きゃら茶Search(2005年1月 - )は『版権(パロディ)なり茶サイト』を対象としています。当初はなり茶Searchにオリチャも版権チャも登録できましたが、版権チャを分離する形できゃら茶Searchが誕生しました。

初期の頃は、PBW Wikiに書かれているように考える人が比較的多かったと思われます。「なりきり」「なりチャ」「キャラなりチャ」といった用語は、90年代後半に版権作品のファンサイトで広まりました。「キャラクターになりきってチャットする」という趣旨を一言で表現できる便利な言葉でした。一方、TRPGやPBeM系のサイトにはロールプレイの習慣が既にあり、「なりきり」という用語を借りる必要はありませんでした。「プレイヤーチャット」と対をなす「キャラクターチャット」や「PCチャット」という名称が好まれました。

90年代終盤になると、数多くのオリチャが誕生しました。参加者は主に版権系・PBeM系・TRPG系・一般チャット系・アダルト系のサイトの出身で、背景の多様さは呼び名に反映されました。各サイトは「なりチャ」「キャラチャ」「PBeM」「ロールプレイングチャット」「シチュエーションチャット」「イメージチャット(イメチャ)」などと自称しました。やがてオリチャの文化は融合し、殆どのサイトは「なりチャ」ないし「PBC」を名乗るようになりました。すると以前とはあべこべに、「キャラチャ」は版権チャを指すと感じる人が増えました。

この変化は2002年頃に認知され、古参PLと新参PLの違いの一つとして話題になりました。キャラチャの世界(2001年? - 2005年)のchara-cha wonderlinkはボーイズラブ系のオリチャを、キャラ茶リング(2002年3月10日 - 2007年4月30日)はボーイズラブ系の版権チャを対象としました。

2007年9月現在、Wikipediaの「なりきり」の項では『近年は、オリジナルのキャラクター、オリジナルの世界観で楽しむなりきりチャットのことをPBC、PBWとし、既存の作品(ゲームや漫画が主)のキャラクターになりきるチャットをキャラチャ、または版権チャと呼ぶ傾向にある』とされています。

ただしはてなダイアリーの「PBC」の項には、『漫画、アニメ、オリジナルの特定のキャラクターになりきり、即興演技(ロール)をチャットで行うゲーム』とあります。「PBC」を名乗る版権チャは確実に存在し、次第に増加しています。版権チャ文化圏における「PBC」という用語は、オリチャを指す、完なりを指す等の紆余曲折を経て、なりチャ一般を指すものとなりつつあります。

ちなみに版権チャを「パロディなりチャ(パロチャ/パロなり)」や「コスチュームチャット(コスチャ)」と呼ぶ例も存在します。「コスチャ」はコスプレ喫茶と間違われ易いという欠点があります。

本書では、「なりチャ」「キャラチャ」「PBC」に文字が表す以上の意味を持たせることは避け、オリジナル系と版権系を区別する必要のある場合には「オリチャ」「版権チャ」を使用しています。

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